Treatment

おとなの矯正治療For Adults

高校生~成人

おとなになってからでも矯正治療はできるの?

今から40~50年前は、矯正治療はこどもの頃にすべき治療と考えられていました。しかし、現代においてはむしろおとなになってからの治療が普通になっています。それは昔と比べて診断および治療技術が飛躍的に進歩したからに他なりません。

矯正治療における「おとな」とは、法律上の成人とは異なり、身体の成長が概ね終了したクライアントのことを指します。一般的に、女子の成長は男子よりも早く終了することから高校生になれば「おとな」と見なします。男子は高校生でもまだ成長が残っていることから、それ以降であれば「おとな」と見なします。

おとなの矯正治療の対象となる年齢層は10代後半から70代にまで及びますが、矯正治療に年齢制限はありません(こどもの矯正治療シニアの矯正治療)。歯を支えている骨や歯根膜などの組織が健全であれば、移動速度には差がありますが、理論的には何歳でも歯を動かすことができます。


なぜ歯が移動するの?

歯は歯根膜を介して歯槽骨にしっかりと支えられていて、咀嚼をしても動くことはありません。しかし、歯に力(矯正力)を与え続けると、その刺激に反応して骨改造という現象が起きて力を与えられた方向に歯が移動します。

具体的には、図1に示したように、歯根膜の圧迫された側に破骨細胞が現れて歯槽骨が吸収し、それによって骨が減れば空隙が生じて歯が動きます。一方、反対側(牽引側)の歯根膜でも歯の位置変化に伴って空隙が生じますが、そこには骨芽細胞が現れて骨が造られることから、歯が抜け落ちることなく常に歯槽骨に支えられ続けることができます。われわれ矯正歯科医の役割は、歯に与える矯正力の大きさや方向などをコントロールすることによって、目的とするところまで歯を移動することです。

しかし、矯正治療の主役はあくまでもクライアントの生体、とくに歯根膜なのです。ところが、稀に何らかの原因で歯根膜が変性してしまった場合は、歯と骨が癒合していくら矯正力を与えてもびくともしない事例もあります(強直歯)。


図1 歯が移動する仕組み

不正咬合とは?

不正咬合という言葉の響きは良くありませんが、学術用語として使われています。

図2に示しすように不正咬合の種類や程度はさまざまですが、過蓋咬合、開咬、上顎前突、下顎前突という4つの不正咬合が基本です。八重歯のような叢生(凸凹歯)とか歯列正中線のズレ(非対称)などは、いずれの不正咬合にもみられる副次的な症状です。上あごと下あごとの間に大きな不調和がなければ、歯を移動するだけの矯正治療を行います。しかし、上あごと下あごの不調和が著しければ、あごの大きさや位置を整える外科手術を矯正治療と併せて行う必要があります(顎変形症の治療、サージェリーファースト)。

また、おとなの不正咬合の場合には、むし歯や歯周病によって歯を失っていることも珍しくなく、問題が複雑になっている場合もあることから、他分野の専門家と連携してそれらの疾患への対応も含めた矯正治療を行います(連携・包括歯科治療)。

図3は、図2のそれぞれの不正咬合の治療後の状態を表しています。当院においてはアライナー矯正ワイヤー矯正、アンカープレート、顎矯正手術、サージェリーファーストの単独適用あるいは組み合わせによって、あらゆる不正咬合に対応できる治療体制が整っています。


図2 不正咬合の種類

図3 それぞれの治療後の状態

おとなの矯正治療のステップとは?

当院では、すべてのクライアントに期待通りの結果がもたらされ、かつ良好な状態を生涯維持できるように、以下のようなステップに従って治療を進めます。すなわち、この8つのステップを忠実に進めることが当院における矯正治療の質を保証するためのクオリティー・コントロール(QC) を意味しています。


Step01
初診相談
クライアントとの出会いを最も大切にしております。約90分間をかけて診査とカウンセリングを行います。
Step02
検査
初診相談とは別日に検査の予約をいたします。90分~120分でX線写真撮影など、必要な資料を採取します。
Step03
診断
約60分で治療計画について分かりやすく説明します。保存用に、すべての内容をプリントしてお渡しします。
Step04
口腔衛生ケア
健康な歯や歯周組織の生涯維持には予防が欠かせません。矯正治療前に口腔衛生ケアをしっかりと行います。
Step05
治療開始
抜歯や虫歯治療など必要な前処置を行います。ご希望の矯正装置によっていよいよ治療開始です。
Step06
治療終了・保定開始
おとなでは通常1.5年~2年で矯正治療は終了します。治療後は後戻り防止のために5年間の保定を行います。
Step07
メインテナンス
数か月毎に保定装置のチェックを行います。併せて、歯と歯周組織の口腔ケアを行います。
Step08
保定終了
問題がなければ保定装置を外して、当院でのケアは終了です。以後の口腔ケアはかかりつけ医に依頼します。