Treatment

こどもの矯正治療For Children

小学~中学生

こどもの矯正治療には2つの流れがあります

当院においては、小学生から中学生のクライアントをこどもと見なしています。

こどもの治療には2つの進め方があります。一つは下図の右の流れ(frow2)で、見逃せない問題を伴っている場合には、成長中の第1期治療と成長終息後の第2期治療の2段階に分けて治療を行います。

もう一方は、左の流れ(frow1)に示すように、第1期治療を見合わせて、成長終息後(高校生以降)におとなの矯正治療を行うという進め方です。数的には右の流れが大半を占めます。


Flow1
Step01
検査・診断
Step02
成長観察・口腔ケア
骨格的不調和がきわめて重度の場合、見せない問題がなかった場合、あるいはクライアントが治療に消極的な場合には、第1期治療をスキップします。
Step03
検査・診断
あごの成長の終息を見極めた上で、生涯維持が可能な治療ゴールを設定します。
Step04
おとなの矯正治療
骨格的不調和が著しい場合には顎矯正手術・サージェリーファーストを適用します。
Step05
保定・メインテナンス
仕上がった状態の生涯維持と口腔衛生のセルフケアの確立を目指します。
Flow2
Step01
検査・診断
Step02
第1期治療
見逃せない問題があった場合、できるだけ簡単な装置で短期間(約1年間)の治療を目指します。
Step03
成長観察・口腔ケア
中学生の時期に相当。口腔ケアはかかりつけ医のもとで行うこともできます。
Step04
検査・診断
第2期治療の必要性の有無を検討。とくにクライアントの意向を尊重します。
Step05
第2期治療
治療ゴールを設定して、ワイヤー矯正やアライナー矯正によって1~1.5年間の仕上げ治療を行います。
Step06
保定・メインテナンス
仕上がった状態の生涯維持と口腔衛生のセルフケアの確立を目指します。5年間の仕上げ治療を行います。

なぜこどもの矯正治療を2段階に分けて行うのか?

こどもの矯正治療を、なぜ1回で済ませることができないのか、なぜ2段階に分ける必要があるのでしょうか? 理由は、簡単に言えば、後戻りや再発のリスクを回避するためです。すなわち、永久歯が出そろったからと言って、まだ下顎の成長が残っている時点で歯列や咬合を整えてしまうと、その後の下顎の成長に伴って、後戻りや再発を生じてしまう危険性があるからです。小学生や中学生で仕上げ治療を終えた事例では、あごの成長だけではなく、智歯(親知らず)の影響も含めて、そのようなリスクが高くなります。

かと言って、成長が止まるまで治療を続けることは、矯正装置を長期にわたって装着し続けることになるため、不衛生な状態が続き、歯にダメージを与える危険性があります。そこで、当院ではすべてのお子様に当たり外れのない良好な結果をもたらし、生涯にわたって美しい歯並びと安定した噛み合わせを維持していただくことを目的として、2段階に分けた治療を提供しております。

2段階治療のもう一つの理由として、中学生への対応があります。中学時代は「精神的な離乳期」と言われているように心身ともに激変する年代であること、加えて食事が頻回になって口腔衛生状態も悪化することなどから、矯正治療を行うには利点よりも欠点が多いと考えられます。中学生では永久歯列が完成していることから、ワイヤー矯正(ブラケット装置)を用いて仕上げの治療を行うことは可能ですが、当院ではそれらのリスクを考慮して敢えて積極的な治療は行わず、成長観察と口腔ケアに充てています。